奈落に落ちた男
好きな人にLINEで二人で遊びに行くことを提案したら「なんで??」って返ってきた。すごいぜ。事前に「こんな返信きたらやだなー」って色々予想してたやつの中で「これ来たら死ぬわ」って思ってたのが一字一句違わず飛んできた。?×2。
「その疑問が浮かぶのもさもありなんだけど」「遊べたら良いなって思って」「できなそうなら全然いいよー」と、精一杯の保身に入って現在21時間経過。未読。今日は卒業式の代休だからまだ命があるけど、明日学校行っっっっっっっっっっきたくね〜〜〜〜〜〜〜。
こんな最悪なことある?
マジでこんな最悪なことってある??
失恋した悲しさは拒絶された恐怖と絶望でブッ飛んだ。結局そんなもんかい。
全部間違ってた。やって後悔なんかしなきゃよかった。バカな行動はバカな行動、蛮勇は蛮勇、奈落は奈落。それ以上の意味を持つことなんかないんだって。勇気を伴う行動は全部正しいんだって自分に言い聞かせて、薄々勘付きながら間違いに突っ走ってた。勇敢にも。
要は自分にとって都合の悪い現実を認めきれないんだろうな。なめてる、世界を。そうは言ってもなんとかなる、なんだかんだ綺麗にまとまるっていう、そういう妄想の中でしか生きようとしないからこういうことになる。諦めるチャンスなら毎秒のようにあったのに・・・。
友達に電話して色々話してると少しだけ楽になった。僕みたいなバカ野郎に付き合ってくれるこいつはなんてかけがえのない男なんだろうと思った。
心細い夜を過ごした。これから起こることへの恐怖と、これまでしてきたことへの後悔を、布団の中で一人で受け止めた。
好きな人と新幹線に乗って旅行に行く夢を見た。
朝起きたときから何も手につかねー。何をするでもなく床の上を転げ回って「あー」とか「うー」とか言っていた。昼過ぎに散歩にでかけた。最近の趣味は散歩。楽しくないような、楽しいような、リフレッシュしてるような、してないような、心地いい温度感。草むらに咲いたホトケノザの蜜を吸ったり、ナズナを鳴らしたりした。いまうちの近所で全盛なのはホトケノザだけど、もうタンポポが咲いてるところもある。今日は風が強く、逆風を全身に浴びると気持ちよかった。
あー。
今すぐ地球爆発しないかなぁ。
本当にどうにもならないのか。まぁどうにもならないよな。「なんで??」て。で未読スルーて。僕は、勝算も覚悟も足りないままに跳んだ。なんとかなるとしか考えず奈落に跳躍した。だからその責任を取らないといけない。
あ。
15分前に返信きてる。
冷や汗とともに謝ってるちょんまげのクマのスタンプと「ごめんね、春から塾行って忙しくなるから無理」
わかってても思ったより傷つくんだね。失恋の悲しさが少しずつ戻ってきた。
ありがとう返信くれて。本当ごめん。
「そっかー 残念!」「急にごめんねー」と丁寧にお辞儀をしてるクマのスタンプ。