いももすのブログ

高校三年生が日記を書きながら書くブログ。

CHASING

 高校三年生になってはや一週間。

 新しいクラスにはなんとか馴染めた。友達がいない人間でも、クラスの中で良好な人間関係を形成することはできるということを、去年僕は学んだ。相変わらずクラスに友達と呼べるような人はいないけど、居心地はとても良い。まぁだいぶ周りの優しさだけどね。

 去年と引き続きで同じ部活の好きな子と同じクラスになって、心の中で快哉を大絶叫して、毎日浮き足立って登校する、自分の諦めの悪さにうんざりしている。もうダメだ俺は。

 受験がもう完全にスタートしたということで、僕もやっと、やっと、頑張りはじめた。今までできてなかった予習授業復習サイクルの確立。僕は基礎から作り直さなきゃダメ。英単語帳も、春休みに友達と会ったときおすすめされたやつを買って、アプリでリスニングとか小テストとかしながら使ってる。志望校の一つで総合型選抜を検討しているので、小論文と面接の本を買った。まだ始まって一週間しか経ってないから、あらゆることがこれからどう転んでいくかはわからないけど、今のところ、これまでにないくらいのやる気はある。

 …恥を忍んで書くなら…やる気をもって勉強に取り組んでいるとき、ずっと好きな子の影を追いかけているような感じがする。その子超成績優秀で。休み時間に出る順パス単を開いていたその子を頭の隅に思い起こしつつ、ターゲット1900に目を通す夜。

 もう…モチベーションが上がるならなんでもいいや。

 

 group_inouの「BOTTLING」がめっちゃいい。


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 意味は「瓶詰め」。 

 group_inouがあと1900曲くらい作ってくれれば英語も楽勝なんだけど。

「変な家」と「オッペンハイマー」を観た日

 イオンシネマに「変な家」と今日公開の「オッペンハイマー」を観に行った。

 「変な家」は原作の記事も動画も小説も見て好きだったし、「オッペンハイマー」は一番好きな映画監督の最新作で、そのうち観たいとは思っていたけど、両作ともそんなに特段すぐ超観に行きたかったわけではなくて、無気力で自堕落な日をとりあえず予定で埋めてみたって感じだった。でも観に行ってよかった。

 ネタバレっぽいネタバレはないけど、内容には触れます。

 


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 「変な家」は、まぁ、原作のリアリティを殺しつつ、エンタメ的なホラーとして楽しめる映画になっていたっていう感じだった。やっぱり映画だし、間取りや外観を見るだけじゃなくて、実際に物件の中に侵入して探索したりするシーンがあるんだけど、そのシーン一連の怖さがめっちゃよかった。間取りから状況を想像してるだけの原作ではありえない種類の怖さっていうか。原作とエンタメホラー映画の間を取った怖さ・おもしろさで、一番純粋に楽しめたところかも。特にあそこの栗原さんからの電話がめちゃくちゃ怖かった。たしか原作の小説でもこれに該当するシーンはあって、結構ゾッとするシーンだったんだけど、変な家に侵入して一番奥の部屋に到達したってときにこれを挿入されると、怖さが段違い。めちゃ冴えてると思った。

 終盤はもう完全にエンタメパーティーホラー映画になってたので、どうにもまぁ…おもしろおかしく見れる感じ。これでおもしろいとも思うけど…う〜ん…あそこらへんもうちょっと原作に沿って綺麗にたためなかったのかなぁ…。原作の小説の終わり方は、最後の最後に今までの伏線を回収してまさかの真実が浮かんで「えっ…」で終わる、みたいな感じですごく良かったんだけど、なんかこっちの終わりではそれが伏線なしに急に投げられて「えぇ…?」って困惑しちゃった。ほかにも劇中通してところどころ展開に難が…。まぁいいや。そんなに悪くなかった。

 


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 「オッペンハイマー」これめちゃくちゃすごかった。鳥肌。

 すげぇ。何がすごかったかっていうと…なんだろう。音?でかい音が、ストーリーのテンションに呼応して響く。音楽と音。映像もその編集も、鬼気迫る感じ。鬼気迫る映像とでかい音、緊張を煽る音楽。動悸が止まらない。今まで映画館で経験した中で最高の映画体験だったかも。トリニティ実験のシーン、やばい。

 ストーリーは、ごめんけど、諮問会関連は3割もわかってない。政治すぎ。人多すぎ。なんなら「TENET」初見のときよりわかってない。オッペンハイマーwikipediaとか目を通しとけばよかったなぁって後悔した。雰囲気でなんとなく理解するみたいな感じ。雰囲気で理解しながら「おもしろいな」って思ったことは、オッペンハイマーの水爆反対に関する正当性が、最後まで認められなかったことかな。もともと不公平な諮問会だったけど、少なくとも劇中で、オッペンハイマーの思想というか、主張?感情?に矛盾があることは否定されてない。「映画の中で実在の人物の内面を描いている」っていうことの、重さと、描いた末の落とし所の巧みさに感心した。雰囲気だけど。

 単純に観てて、何より本気で心底怖かったのは、やっぱりあのラストシーン。詳しく言えないけど、冷や汗出た。バッドエンド、という言葉を使っていいのか、この映画の終わりが、バッドエンドだとして、僕はその延長上の今日に生きてる。こわいなぁ…。

 ストーリーわからなくても、映像体験として最高峰だと思うから、本当に映画館行った方がいいですよ。変な家は別にテレビで見ても楽しめるけど、オッペンハイマーは映画館の大画面と大音量ありきな気がする。

捨て石いやだ

 失恋から約2週間が経った。まぁー・・・まだまだ悔い足りない。

 毎日が味気なく感じる。何もやりたいことがない。何をするにもやる気が起きない。慢性的にゆるく落ち込んでて感情の起伏に乏しい。そんな感じ。

 相手の子が僕のことを好きじゃない、なんなら嫌いかもしれないってことはもうわかってしまったけど、だからといってその子を好きな気持ちがなくなるわけじゃなくて、毎日横顔とか後ろ姿を見ては勝手に好きって思ってる。なんか、ほんとに僕立ち直れるんだろうか。死ぬまで他の人好きになれないような気すらしてるけど。

 春休み、部活のメンバーで集まって焼き肉を食うことになった。もちろんその子も来る。去年県外に進学した先輩たちも帰ってくるということでめちゃくちゃ楽しみな反面、僕は平静を装っていられるだろうかと不安な気持ちもある。絶対に悲しみを漂わせたくなる。だめだよ。それはそれ、これはこれ。

 

 最近は本当に何もしてないけど・・・湯船に浸かるようになった。あとはgroup_inouはずっと聴いてる。「CATCH」は怖くてあんまり聴けなくなってるけど。「SHIP」が良い。ビートが超かっこいい。あと歌詞の雰囲気。


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「EYE」も良い。このMVめちゃくちゃおもしろくて、何回見ても飽きない。曲の疾走感とか開放感によくマッチしてる。歌詞も心に響くなぁ。「企む 退く 捨て石」とか「できない気がしていた できると思っていた」とか。よくわからない、掴みどころのない言葉の中に、たまによくわかって刺さる感情が入ってるのが、group_inouの歌詞のおもしろさだと思ってる。言葉の波に揉まれる感覚が楽しい。


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奈落に落ちた男

 好きな人にLINEで二人で遊びに行くことを提案したら「なんで??」って返ってきた。すごいぜ。事前に「こんな返信きたらやだなー」って色々予想してたやつの中で「これ来たら死ぬわ」って思ってたのが一字一句違わず飛んできた。?×2。

 「その疑問が浮かぶのもさもありなんだけど」「遊べたら良いなって思って」「できなそうなら全然いいよー」と、精一杯の保身に入って現在21時間経過。未読。今日は卒業式の代休だからまだ命があるけど、明日学校行っっっっっっっっっっきたくね〜〜〜〜〜〜〜。

 こんな最悪なことある?

 マジでこんな最悪なことってある??

 失恋した悲しさは拒絶された恐怖と絶望でブッ飛んだ。結局そんなもんかい。

 全部間違ってた。やって後悔なんかしなきゃよかった。バカな行動はバカな行動、蛮勇は蛮勇、奈落は奈落。それ以上の意味を持つことなんかないんだって。勇気を伴う行動は全部正しいんだって自分に言い聞かせて、薄々勘付きながら間違いに突っ走ってた。勇敢にも。

 要は自分にとって都合の悪い現実を認めきれないんだろうな。なめてる、世界を。そうは言ってもなんとかなる、なんだかんだ綺麗にまとまるっていう、そういう妄想の中でしか生きようとしないからこういうことになる。諦めるチャンスなら毎秒のようにあったのに・・・。

 友達に電話して色々話してると少しだけ楽になった。僕みたいなバカ野郎に付き合ってくれるこいつはなんてかけがえのない男なんだろうと思った。

 心細い夜を過ごした。これから起こることへの恐怖と、これまでしてきたことへの後悔を、布団の中で一人で受け止めた。

 好きな人と新幹線に乗って旅行に行く夢を見た。

 朝起きたときから何も手につかねー。何をするでもなく床の上を転げ回って「あー」とか「うー」とか言っていた。昼過ぎに散歩にでかけた。最近の趣味は散歩。楽しくないような、楽しいような、リフレッシュしてるような、してないような、心地いい温度感。草むらに咲いたホトケノザの蜜を吸ったり、ナズナを鳴らしたりした。いまうちの近所で全盛なのはホトケノザだけど、もうタンポポが咲いてるところもある。今日は風が強く、逆風を全身に浴びると気持ちよかった。

 あー。

 今すぐ地球爆発しないかなぁ。

 本当にどうにもならないのか。まぁどうにもならないよな。「なんで??」て。で未読スルーて。僕は、勝算も覚悟も足りないままに跳んだ。なんとかなるとしか考えず奈落に跳躍した。だからその責任を取らないといけない。

 あ。

 15分前に返信きてる。

 冷や汗とともに謝ってるちょんまげのクマのスタンプと「ごめんね、春から塾行って忙しくなるから無理」

 わかってても思ったより傷つくんだね。失恋の悲しさが少しずつ戻ってきた。

 ありがとう返信くれて。本当ごめん。

 「そっかー 残念!」「急にごめんねー」と丁寧にお辞儀をしてるクマのスタンプ。

小手先へ走る男


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 デヴィッド・フィンチャー監督の「ドラゴン・タトゥーの女」を観た。めちゃくちゃおもしろかった。スリルでヒリヒリする映画だったなー。2時間半以上あるしサスペンスだしで、もしかしたら眠くなるかもって思ってたけど、編集のテンポがとても良くて、一瞬も退屈しなかった。ていうか、情報量が多すぎて考えるのを止めた瞬間置いていかれるから、退屈してる暇がないっていうのもあった。ヴァンゲル家の血縁関係は未だに曖昧にしか把握してない。あれ初見で覚えられる人いる?

 リスベットのキャラがめちゃ良かったので、(キャストと監督違うけど)続編の「蜘蛛の巣を払う女」を観ることも検討してる。

 フィンチャー監督の映画はこれ含めて4作(「ファイトクラブ「セブン」ゴーン・ガール」「ドラゴン・タトゥーの女」)観たけど、どれも暗くて陰鬱な、重みを持った映像の作り方で、魅力的だなぁって思う。「ザ・キラー」観たいけどネトフリ入ってないんだよなー。

 

 最近好きな人ができて、楽しくも辛い日々を送っている。相手と話すチャンスを作れない、チャンスがあってもあと一歩勇気の出ない自分に辟易する。偶然相手が話しかけてくれて、死ぬほど死ぬほど死ぬほど舞い上がりながら二言三言だけ言葉を交わして、そのあと「なんでこの程度で舞い上がってんだよ」って自分を責める。

 「釣り合わないな」っていう意識がすごくある。彼女は、飾り気がなくて可愛くて賢くて知識欲が旺盛で、真面目で地道に努力ができて成績も良くて、いつも気遣いができて、考えながら会話できて、色んな人と仲が良くて、友達を大事にしてて、僕よりずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと前を行ってる人。対して、僕は彼女に、好きになってもらえるだけの良いところを今まで見せてこれたのか。てかそもそもそんなもん僕に存在するのか。わかんない。耐え難い。

 寒風吹きすさぶ放課後、マツモトキヨシへ行った。口臭科学から生まれたNONIOの、ホワイトニングもできるというデンタルリンスを買い、口臭を一時的になんとかしてくれるマウススプレーを買い、新しい歯ブラシを買った。その夜、様々な比較サイトを元にリサーチし、翌日またマツモトキヨシへ行き、オルビスのクリアフルウォッシュを買い、ナチュリエのハトムギ浸透乳液を買い、泡立てネットを買い、NONIOの舌クリーナーと舌用クリーニングジェルを買った。心の何かを埋めようとしている。この2日で5千円近く散財する僕の自制心のなさと、焦り。僕の肌が多少キレイになって、口臭がなくなって、彼女が僕にどうこう思ってくれるわけがないって、頭ではわかってるつもりなんだけど。

 人間関係とかの問題で自分に自信が持てなくなったとき、僕は小手先の自分磨きに走る性質があるらしい。小手先もいいけど、もっと大事な、本当に頑張らないといけないところで頑張れないと、何も進められないと思う。

その背伸びでキャッチしてみな

 2024年が始まってはや半月。いかがお過ごしでしょうか。僕は普通です。

 最近Spotifyを初めて利用して、曲の豊富さと、無料でなんでも聴けることに感動した。すごい。音楽って楽しい〜〜〜〜!って思った。フルアルバムとか無料で聴けるのやばくね?ちゃんとアーティストに還元されてるのかな。還元されてなくても使っちゃうかも・・・。

 group_inouがミニアルバム「HAPPY」をリリースした。これもSpotifyで聴ける。

 最高。group_inouの音楽性が本当に好き。カタルシスに溢れたトラックに乗ってやってくる、意味あるんだろうけど意味わからん言葉の明滅に翻弄されながら、それを全身で受け入れていく瞬間を積み重ねる、気持ちよさ。「ON」とか良い。

 


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 ブログに何を書こうかと考えるとき、もちろん日々のことを書くけども、あんまり知られたくないこととか、自分の気持ちが整理しきれてなくて上手く書けないことは大体省く。今から書くことは、あんまり知られたくないことかつ自分の気持ちが整理しきれてないことだけど、最近の僕の日々のほとんどがそのことで埋め尽くされているので、書かざるを得ないと思って半ば渋々書く。こういうことをブログに書いてネットの海に放流し、不特定多数(僕のブログだし少数かもしれないけど)の目に晒すことにはだいぶ抵抗感があるなぁ。なんでここまで渋っているかというと、男子高校生の片想いほど情けなくて見苦しいものは他にないから。

 ひと月ほど前から僕の熱視線を受けているその女子は、僕と同じ部活動に所属していて、5年の付き合いがある。部員の少ない部活だし、二人で親密に話す機会も多かったけど、関係性としては同級生以上友達未満くらいにしかなっていない。5年間ぼんやり好意を持っていて、最近それが本当に本当の恋愛感情に移行した感じ。毎日毎日頭の中がその子のことでいっぱいで、ちょっとその子が視界に入るだけでもハッピーになって机ブン殴りたくなる。

 超絶付き合いたいので行動しようと思ってるんだけど、今そのことで頭を悩ませまくっている。部活同じと言ってもすでに僕ら夏の大会で引退してるので、もう会話の機会はない。同じクラスだけど、用事もないのに「なんか話そうよお」と言って話しかけられるほどの関係性でもないので、どうにも距離が縮められない。仮に話しかけることに成功しても強引に関係詰めたら嫌われるかもしれないし、相手が最初から心の壁張ってたらどれだけプロセス踏もうが無駄だし、5年間の付き合いの中で色々僕のしょーもねーところも見せちゃってるし、自分で言うのもなんだけど僕のパーソナリティって人から見て魅力的に思えるところがなさすぎるので、もしかしたらもう嫌われてるかもねとか思ったりして。

 この通り、あまりに見苦しい。女子一人相手に頭の中毎日パニックで右往左往してこの様。ひと月の間、頭の中だけで盛り上がりまくって実際は何もしてないし。勇気振り絞って唯一したことがあけおめLINE送ることってどうなん。紙飛行機を押す僕の指の震えようと、かわいい辰のスタンプと一緒に「こちらこそよろしくお願いします」ってメッセージが返ってきたときの僕の舞い上がりようを想像してみて。踊りだす勢いだったよ。でもやったことこれだけ。ほかは本当に何もしてないんだなぁこれが。とにかく強引に関係縮めるのが一番怖い。去年僕がそういう系の目に遭って、やんわりと相手を拒絶したことによって、お互い完全に気まずくなったという例がある。どうしても悪い想像がつきまとってしまう。すごく怖い。そして臆病になる。

 でも、そういうの気に病むのは後にしたほうがいいとは思う。group_inouの「CATCH」でも言ってたでしょ。「あぁ あぁ こんなことならば 好きな色 好きな人 その背伸びでキャッチしてきな 好きな色 好きな人 その背伸びでキャッチしてみな」って。後悔しないうちに背伸びしてキャッチするんだ。あと放課後ティータイムの「ふわふわ時間」でも言ってた。「もすこし勇気ふるって 自然に話せば 何かが変わるのかな?」って。あ、でもふわふわ時間では「だけどそれが一番難しいのよ 話のきっかけとかどうしよ てか段取り考えてる時点で 全然自然じゃないよね」とも言ってたわ。

 年末に観た映画「夜は短し歩けよ乙女」には勇気づけられた。前から好きな映画で何度も観ていたけど、やっぱり片想いをこじらせてるときに観ると違うわ。「考えれば考えるほどどん詰まっていく!たとえ跳んだ先が失恋という奈落であったとしても、恋をしたとき、人には暗闇へ向かって跳躍すべき瞬間があるのだ!このまま彼女へ想いを伝えないまま、明日死んでも悔いが残らないというものがあるか!!」っていう内容の映画。ぐっと僕の背中を、暗闇へ押し出してくれ。

 好きで好きでとにかく毎日幸せ&辛い。できる限り頑張ろうとしないと、逆に苦しい。だからまぁ、とりあえず頑張ってみる。ふわふわ時間も言ってたろ、「もしすんなり話せれば その後は・・・どうにかなるよね」って。どうにかなれ。

group_inouと旅のラゴスの話


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 活動休止してたgroup_inouがいつの間にか新曲出してた。マジで良い。最高。しかもMVはAC部だし。

 

 筒井康隆の「旅のラゴス」を読んだ。おもしろかった。

 何年か前、いつだったか、宮脇書店太宰治の文庫と涼宮ハルヒの憂鬱と一緒に買ったような・・・そうじゃないにしてもそのくらいの時期に買ったまま、ほとんど読まずに放置していたものを、数日前からきまぐれで読み進めていた。で、昨日一息に読み終えた。おもろいんですわ。

 なんだろうな。作品紹介の文章にもあるけど、「不思議な物語世界に人間の一生や文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編」なんだよな。ラゴスの数十年に渡る旅と人生とか、人類文明や国の盛衰とか、色々やるんだけど、最後になったらきもちよく全部まとまってる。なんかきもちよくいい感じに。それがよかった。あと、行く先々の人々に「心」と「人生」の手触りを感じるのがよかった。あと、旅人っていうラゴスの立場の、いつでもどこへでも行ける、囚われない性質のある気楽さがよかった。

 物語の最後、最後の最後の最後、ラゴスは若き日の恋人デーデの影を求めて、帰路のない旅へ出る。このラストは胸に迫るものがある。なんで、そうまでして行ってしまうんだ、ラゴス・・・。でも、わかるっていう気持ちもある。そして、旅へ出るラゴスを最高にかっこいいと思って、願わくばデーデに出会えたら・・・って祈る。そういういろんな感情が揺り動かされるラストだった。

 旅のラゴス、良い小説だった。

 

 今年最後なのに、group_inouと旅のラゴスの話しかできなかった。他に何かあるかな。セールに乗じてイオンに服を買いに行った話。服を買いに行くという経験は人生二度目。ピンと来る服を試着して選んで買うという作業は、非常に楽しかった。初めて、服を買うことが楽しいと思った。

 2023年は終わり。良いお年を。