いももすのブログ

高校三年生が日記を書きながら書くブログ。

「変な家」と「オッペンハイマー」を観た日

 イオンシネマに「変な家」と今日公開の「オッペンハイマー」を観に行った。

 「変な家」は原作の記事も動画も小説も見て好きだったし、「オッペンハイマー」は一番好きな映画監督の最新作で、そのうち観たいとは思っていたけど、両作ともそんなに特段すぐ超観に行きたかったわけではなくて、無気力で自堕落な日をとりあえず予定で埋めてみたって感じだった。でも観に行ってよかった。

 ネタバレっぽいネタバレはないけど、内容には触れます。

 


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 「変な家」は、まぁ、原作のリアリティを殺しつつ、エンタメ的なホラーとして楽しめる映画になっていたっていう感じだった。やっぱり映画だし、間取りや外観を見るだけじゃなくて、実際に物件の中に侵入して探索したりするシーンがあるんだけど、そのシーン一連の怖さがめっちゃよかった。間取りから状況を想像してるだけの原作ではありえない種類の怖さっていうか。原作とエンタメホラー映画の間を取った怖さ・おもしろさで、一番純粋に楽しめたところかも。特にあそこの栗原さんからの電話がめちゃくちゃ怖かった。たしか原作の小説でもこれに該当するシーンはあって、結構ゾッとするシーンだったんだけど、変な家に侵入して一番奥の部屋に到達したってときにこれを挿入されると、怖さが段違い。めちゃ冴えてると思った。

 終盤はもう完全にエンタメパーティーホラー映画になってたので、どうにもまぁ…おもしろおかしく見れる感じ。これでおもしろいとも思うけど…う〜ん…あそこらへんもうちょっと原作に沿って綺麗にたためなかったのかなぁ…。原作の小説の終わり方は、最後の最後に今までの伏線を回収してまさかの真実が浮かんで「えっ…」で終わる、みたいな感じですごく良かったんだけど、なんかこっちの終わりではそれが伏線なしに急に投げられて「えぇ…?」って困惑しちゃった。ほかにも劇中通してところどころ展開に難が…。まぁいいや。そんなに悪くなかった。

 


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 「オッペンハイマー」これめちゃくちゃすごかった。鳥肌。

 すげぇ。何がすごかったかっていうと…なんだろう。音?でかい音が、ストーリーのテンションに呼応して響く。音楽と音。映像もその編集も、鬼気迫る感じ。鬼気迫る映像とでかい音、緊張を煽る音楽。動悸が止まらない。今まで映画館で経験した中で最高の映画体験だったかも。トリニティ実験のシーン、やばい。

 ストーリーは、ごめんけど、諮問会関連は3割もわかってない。政治すぎ。人多すぎ。なんなら「TENET」初見のときよりわかってない。オッペンハイマーwikipediaとか目を通しとけばよかったなぁって後悔した。雰囲気でなんとなく理解するみたいな感じ。雰囲気で理解しながら「おもしろいな」って思ったことは、オッペンハイマーの水爆反対に関する正当性が、最後まで認められなかったことかな。もともと不公平な諮問会だったけど、少なくとも劇中で、オッペンハイマーの思想というか、主張?感情?に矛盾があることは否定されてない。「映画の中で実在の人物の内面を描いている」っていうことの、重さと、描いた末の落とし所の巧みさに感心した。雰囲気だけど。

 単純に観てて、何より本気で心底怖かったのは、やっぱりあのラストシーン。詳しく言えないけど、冷や汗出た。バッドエンド、という言葉を使っていいのか、この映画の終わりが、バッドエンドだとして、僕はその延長上の今日に生きてる。こわいなぁ…。

 ストーリーわからなくても、映像体験として最高峰だと思うから、本当に映画館行った方がいいですよ。変な家は別にテレビで見ても楽しめるけど、オッペンハイマーは映画館の大画面と大音量ありきな気がする。