いももすのブログ

高校三年生が日記を書きながら書くブログ。

アクロス

 スパイダーマン映画の最高傑作を「更新」したらしい映画、「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」を今日観に行った。

 


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 僕は「違うだろ」って思った。

 違うだろ、この「アクロス・ザ・スパイダーバース」と来年公開の「ビヨンド・ザ・スパイダーバース」の2つで、最高傑作を更新するんだろ?

 一番最初のグウェンパートの長さでなんとなく察したんだけど、この映画はバリバリ「ビヨンド」に続くように作られている。要は「バックトゥ・ザ・フューチャー2」みたいになってるってこと。消化不良なまま終わる。しかも重い。

 宣伝では、その性質としてしょうがないことだと思うんだけど、「『この』映画が、めちゃくちゃおもしろくて、最高傑作を更新するものすごいストーリーです!!」っていう風な口調で言ってたから、僕はてっきりこの映画単体でおもしろいものとして完結してるのかと思った。1作目みたいにね。3作目まで製作が決定してるって知った時点で「あ、続きありきの話なんだろうな」って察せればよかったんだけど。

 だからまぁ、なんていうか、この映画単体は、観て「よかったぁ〜〜〜!!!」って伸び伸び言えるような物語にはなってないから、劇場の席を立った僕と友達はちょっと困った顔をしていたよってこと。「よかったぁ〜〜〜!!!」って伸び伸び言うのは来年の「ビヨンド・ザ・スパイダーバース」を観終わったときのために取っておけってことなんだろう。

 

 そういったストーリーの流れがモヤモヤするだけで、他は素晴らしいことだらけだった!!!

 新キャラが全員魅力的だし(特にスパイダーパンク最高)、色んな実写スパイダー映画(スパイダーじゃないマーベル映画も)の小ネタとかもあるし、映画観てるだけの僕には回収できない小ネタもめっちゃ色々あったんだと思う。宣伝でも見所として挙げられていた「敵は全てのスパイダーマン」の部分を象徴する、スパイダーマンたちとマイルスのチェイスシーンはやっぱり壮絶で見応え抜群だし、その前のマイルスがスパイダーマンたちに囲まれるシーンも、重くて悲しくて、思わず泣いてしまった。

 あと今回はグウェンのキャラクター掘り下げが多かった。1作目からちょっとパンクな見た目が刺さって好きなキャラクターだったんだけど、家庭の事情とかスパイダー事情とか大いなる責任事情とか、今作でバックボーンを色々知っていくうちに、よりグウェンが人間味のあって複雑で魅力的なキャラクターに感じられるようになったと思う。グウェンかなり好き。

 あと、1作目のキャラクターで、特に日本で人気だったらしいペニーも、結構可愛くなってちょっとだけ再登場。3作目では「ノワール」「ハム」と合わせて大々的に活躍しそうな雰囲気もあるし、それも楽しみだ。

 いろんな画風をごちゃ混ぜにしたような「あの」作画も健在!!っていうか今回は更にそれが顕著に現れてるような。前回やってみてかなり許容されたから今回は全開で行こうみたいな感じになったんだろうか。何にしても今までどんなアニメ映画でも体験したことがないアニメーションであることは確かだ。ずっと目が楽しんでるのを感じる。

 ヴィラン「スポット」もすごく良い!初登場の時はどうでも良し枠の雑魚ヴィランかと思ったら、段々力に目覚めて「全」世界を脅かす激ヤバヴィランに成長する。購入したパンフレットによれば、「どうでも良し枠だと思われることがスポットにとって重要な問題」なんだそうだ。いやー、おもしろい。そしてやばい。前作としっかり関わりがあるキャラクターなのも良い。

 パンフレットとか読んでたら、映画に対する不満はだんだん消えていった。あと残った不満は、僕は吹き替え版で観たんだけど、一部意味不明な(何言ってるのか急に掴めなくなる)台詞があるってことくらいかな。吹き替えの翻訳がちょっとアレなのかも。僕の頭がアレなんじゃないよね・・・?

 

 「この映画単体で完結しない」っていうことを念頭に置いて観に行けば、楽しく観れたのかもしれないな。やっぱり「これって今映画全体の何%くらいの進度の場面なんだ?」って気にしながら観る映画って苦しくなりがちだから。

 みんなは「これは前編なんだ」って思いながら、心置きなくスパイダーバースの世界を楽しもう。