どうも、こんにちは。いももすです。
僕の脳は糖分を欲していた。
脳からの要求に応えてお菓子棚を漁るが、何もない。あいにく今はお菓子を切らした状態。僕はいてもたってもいられなくなった。
冷蔵庫の中に何かないか。何もない。牛乳で糖分とりたい欲を満たせるなら別だけども。
困り果てた僕は夏でもないのに冷凍庫を開け、アイス的なものがないか探してみた。
あった。
いや、これを「アイス的なもの」と形容すべきか。
これはなんだ。
そう、これは「冷凍ブルーベリー」だ。
冷凍されたブルーベリーの袋が、冷凍庫に横たわっていた。
ずっと前からある風な佇まい。
うちのような庶民の家の料理に、冷凍のブルーベリーを使うと言う話も聞いたことがない。
つまり僕は、この冷え切ったブルーベリーを糖分として摂取することを運命から許可されたのだ。
ソファに持っていって、スマホを見ながら食べる。袋からひと粒ずつ取り出して、口に運ぶ。
・・・今更だが、僕は小学校の時に給食とかで出た冷凍みかんや冷凍ピーチを「食べにくい」と感じる人間である。みかんや桃の味は好きだが、わざわざ冷たくして食べにくくする意味がわからないと思っていた人間なのである。
そして冷凍ブルーベリーも例外では無かった。
まず、冷たい。粒は小さいので、口の中でどうしようもなくなるということはない。だが噛んだ時には、ガリガリ君を噛み砕いたときと同じ類の歯の痛みを感じた。
そしてこれは普通のブルーベリーにも言えることだが、甘い果実がマイノリティ。
多くの粒は酸っぱい。だいたい酸っぱい。ほんのりと甘い粒はほんのひと握りの少数派だけである。甘いのを楽しみたいのに。
でもまぁそれは、甘い粒を食べた時には幸せ感がアップするということであるし、実際そうだったから、一概に短所とは言えない。
どうでもいいが、「甘い果実がマイノリティ」という論説の本がありそうである。
そして食べ終わり、袋を片付けようとスマホから目を離して手を出した時、僕は自分の目を疑った。
指の先がブルーベリー色に染まっていたのである。
嘘じゃない。マジである。というかこの記事はそもそも実話である。
どうやら、ブルーベリーの色素的なものがこっちに写ったらしい。手を洗ってもなかなか取れない。その日は用事がなかったので良かったが、もしデートとかだったら最悪である。ブルーベリー色の指で相手を抱かないといけない。相手なんかいないが。
さらに嫌な予感がした僕は、洗面所にかけこんで鏡を見てみた。予想通り、唇もブルーベリー色に染まっていた。そこにブルーベリーが当たっていたからである。小学校のころの、曇りの日のプールの授業で体調崩した人みたいになってしまった。
そしてもう一つ、指や唇以上にブルーベリーに触れている部分に気がついた。
恐ろしい気持ちになりながらも、好奇心に負けた僕は、口を開け、鏡の中の自分の口の中を見た。
舌が一面ブルーベリー色に染まっていた・・・!!
かき氷のシロップのしぶといバージョンである。
さっきから「ブルーベリー色に染まっている」という説明しかできないが、本当にそれ以外の形容の仕方が思い付かないほど、ブルーベリーブルーベリーなのである。
あ。
ベリベリブルーベリー
なのである。
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とにかく、うがいじゃまず取れない。歯ブラシで擦ったら歯ブラシがベリベリブルーベリーになった。全然取れない。しばらく放置するしかない。
母に見せてみたら、「悪魔」と言われた。コンゴトモヨロシク・・・
さらに、袋の裏を見てみたら「解凍後お食べください」と・・・。
バカか。僕はバカか。解凍後食べる用の食べ物を食べて「ガリガリ君と同じ痛み〜!」とか「ベリベリブルーベリ〜!」とか。
というわけで、バカの悪魔になってしまいました。バカはもとからか。
さようなら。おやすみの間悪魔に肉体を乗っ取られぬようお気をつけて・・・。
どんっ!
「”色写し”冷凍ブルーベリー」
(明らかにでかいのしか見つからなかった)