いももすのブログ

高校三年生が日記を書きながら書くブログ。

実写版 岸辺露伴は動かない「富豪村」の感想!

 どうも、こんにちは。いももすです。

 

 昨日の夜、岸辺露伴は動かない」の実写版が放送されました。

 

 僕は原作の漫画が大好きなので、実写化には不安を抱いていました。昨日の夜のドラマを見るまでの僕の気持ちはこちらの記事に書いてあります。

 

imomosu.hatenablog.com

 

 そんなこんなで本編を見た僕が感想を書いていくという記事なのですが、僕は昨日の夜から今まで一度もこのドラマに関する世間一般の感想などは一切見ていません

 一緒にリアタイで見ていた友達とLINEで感想を言い合った程度です。ブログに書くまで個人の意見を整理しておきたかったからです。

 なので、もしかすると僕の感想が世間一般の感想と異なっているかもしれませんが、そこらへんはご了承ください。

 

 

 残念だったところ

・カメラがやたら揺れる

 僕は別に普段カメラの動きなどを気にする方ではないのですが、よく目についたので。カメラの位置が固定された場面なのになぜか手持ちで撮影しているところもいくつかありました。

 

・一久が感情豊かすぎた

 露伴と泉を案内してくれる正門からの案内人である一久ですが、演技はすごく上手でした。感情が入っていて、熱が感じられました。が、

 一久に熱の入った演技とか強い感情は要らないと思います。山の神に使われているだけ、という設定しかわからない謎の多い人物の一久が、原作で感情を出すのは畳の縁を踏んでしまった時だけ。ですがこのドラマにおいては、終盤かなり悔しそうな声を挙げ、床をたたき、泣き、声を震わせ「再トライなさいますか?(泣)」と、かなり人間臭い。「再トライなさいますか?(泣)」はまぁ原作にもあったけど。

 

・畳の縁の伏線がなくなってる

 原作においては、最初に露伴と泉が畳の縁を踏んで部屋に入ってしまうシーンがあり、それが「マナー違反」とみなされてしまうシーンがあります。その指摘がのちに、一久が縁を踏んで逆転することへの伏線になっているのですが、なぜかドラマの方ではなくなってますね。

 あと、なくなってるマナー違反に関しては、上座と下座を間違えるところも、話そのものは出てるもののなぜか間違えることはなくなっています。友達は上座と下座を露伴が間違えるところを楽しみにしていたようなので、「ちょい萎えた」とコメントしています。

 

露伴の性格が初登場時のそれ

 登場したときのスタンド発動の感じを見るに、おそらく、高橋一生さんもしくは制作スタッフの方は、ジョジョ4部で初めて登場した時の、人間を漫画のための資料としか思っていないアノ露伴を再現しようとしたのではないでしょうか。

  「富豪村」の露伴って、こうなんか、かっこいいんですよね。序盤は泉の態度に戸惑いながらも、終盤には泉を庇う描写があったり、生き返った小鳥に微笑んだり。

 でも今回の岸辺露伴かっこよくない。テンションとしては、初登場のときの異常者然としている露伴。それでいけないわけではないですけど、「岸辺露伴は動かない」のかっこいい露伴ではないですよね。

 あと、単純に一久相手にマウントとってドヤる露伴はみたくなかった。

 

 僕個人の思いですけど、僕は、ちょっと悔しそうに「再トライなさいますか?」と声を震わせる一久に「だが帰る」と爽やかに言い切る、かっこいい露伴が見たかった。だけど実際に見せられたのは、悔しそうに床を叩く一久に「マナー違反をその場で咎めるのがマナー違反だ」とドヤってマウントをとり、嫌味っぽく「帰る」と吐き捨てる露伴だった。高橋一生さんの演技を初めて見るのですが、あれほどの演技力があれば「動かない」の方のかっこいい露伴が見れた気がします。残念です。

 

 よかったところ

・泉京香の見た目がほぼ完全再現再現できている

 泉とか、結構クセがあるキャラクターなので再現できるか不安だったんですが、まんま泉京香で本当にすごかった。演技も上手いし。飯豊まりえさんという方が演じられているんですね。リアルにいそうな泉京香を本当にありがとうございます。

 でも、リアリティを出そうとしすぎて泉が半分常識人キャラクターになってしまったのは残念。前述のように露伴が完全に初登場時の変人キャラクターになっているので、その分の常識人成分が泉のほうに流れ込んだ、って感じですね。

 

・別荘の内装がそのまま

 部屋の内装が漫画そのままで、まるでここが漫画の方のモデルになったんじゃないのかと思うレベルのクオリティでした。多分見てる時の僕は「すげー。」って感じの間抜け面になってたと思います。

 

・泉京香が別荘に執着した理由づけがある

 原作では、泉京香が別荘に執着するあまり「再トライする」といってしまい、大切なものを失うという展開なんですが、僕は正直原作のこの展開は疑問だったんですよね。最初の方は冷やかし程度に行ってみようというテンションだったのに、急に「この別荘とても素敵!」みたいにはならないですよね。

 だから、その部分に「交通事故にあった彼氏を元気付けたかった」という理由がつけられたのがよかったです。大切なものを失った時に「婚約者が事故にあって息をしてない」という原作の設定を活かした部分でもあります。

 

・音楽が雰囲気に合っている

 はっきりとしたメロディーのない音楽ですが、全体の不気味な雰囲気に合っていて、とてもよかったです。

 

ジョジョ特有の訛りキャラクターの登場

 冒頭に登場する空き巣のうちの1人が、訛り言葉の使い手でした。ジョジョシリーズには、結構な頻度で、敵キャラクターの犠牲になる訛った言葉の荒っぽい性格のキャラクターがいます。結局その空き巣は露伴の資料にされてしまうわけですが、そういった原作特有の要素もあって、けっこううれしかったです。

 

・固有名詞「スタンド」を登場させなかった

 露伴のスタンドヘブンズドアー」は、ジョジョシリーズに登場する「スタンド」という超能力のうちの一つに分類されるのですが、「動かない」シリーズには、露伴のスタンド「ヘブンズドアー」しか登場しないため、「スタンド」という用語の解説は初見の人にとっては話をややこしくするだけになります。

 それを分かってなのか、今回のドラマでは「スタンド」という単語は登場せず、「僕に備わった能力」と説明されています。グッジョブ。

 

・「だが断る」があってる

 岸辺露伴屈指の名言だが断る。原作のジョジョ第4部では、敵スタンド「ハイウェイスター」に殺されかけ、

東方仗助をこっちにおびき寄せれば命だけは助けてやる」と言われますが、

「本当に、アイツを差し出せば助けてくれるのか?」

「ああ約束するよ。奴の養分と引き換えのキルアンドテイクだ。さぁ呼べ、早く呼べ」

だが断る

 という、最高にかっこいい裏切り方をした岸辺露伴。今回のドラマでそれがどうなっているかというと、なんと原作通りの流れ!「動かない」のコミックではこのやりとりはなかったのですが、いい改変だと思います。

 「今日はお帰りください」

 「帰れば助かるのか?」

 「だが断る

 演技の仕方も(ここだけは)アニメの方によっていてカッコ良かったです。

 

 

 というわけで、岸辺露伴は動かない実写版の感想でした。

 思ったよりよかったです。原作に対するリスペクトもいくつか見つかりましたし。まぁ露伴があんな風になってしまったのはちょっと残念ですけど・・・

 

 ドラマは三夜連続放送。今日はエピソード2「くしゃがら」が放送されるので、明日はそちらの感想を書きたいと思っています。

 「志士十五」という知り合いの漫画家から、「くしゃがら」という出版界の禁止用語の存在を知る露伴。十五がどれだけ調べても「くしゃがら」の意味はわからない。次第に十五は「くしゃがら」という言葉の意味を知ることに異常なまでの執着を見せるようになり・・・

 というのがあらすじ。

 

 この話を考えたのは漫画原作者の荒木先生ではなく、ジョジョファンの作家の北國ばらっど先生。「岸辺露伴は動かない」のノベライズ岸辺露伴は叫ばない」に収録されたものです。

 この話、荒木先生の話ではないものの、本当によく練られたストーリーで、真実を知った時の鳥肌が半端じゃない。また、「くしゃがら」に異常に執着していく十五の狂気も凄まじく、これを生身の人間がどう再現してくれるのか、楽しみです。